ありふれた日々と以下略

日々の備忘録として。

【お酒1】ビールの基礎知識

 自分メモとしてつらつら書き連ねます。

 まずはよく飲むビールから。

 

 

・ビールとは。

 大麦(麦芽)から造るお酒のこと。ホップに由来する苦味と香り成分、炭酸ガスによる泡立ちが特徴のアルコール飲料です。アルコール度数は3~10度ほどまであります(日本でよく見られるビールは5度前後)。

 基本となる原料は、大麦(麦芽)・ホップ・酵母・水。大麦を発芽させた種子(→麦芽)を粉末にし、水を溶かして加熱した液体(→麦汁)にホップを加え、ビール酵母により発酵させた”醸造”です(清酒、ワイン等も醸造酒です)。

 また、麦芽の使用率が2/3(67%)未満のものは”発泡酒”に分類されます。

 

・ビールの製造法

 流れとしては、

 ①製麦→②焙燥→③仕込み→④発酵→⑤熟成→⑥ろ過→⑦殺菌

となります。

製麦(4-7日)

 原料の大麦を発芽させるために大麦を40~60時間ほど水につけ、芽がでかけてきたら水から出して4~7日ほど芽を伸ばします(大麦麦芽-モルト-をつくる)。

 麦が芽を出すときに、麦に含まれるデンプンからエネルギーを生み出すアミラーゼという酵素がつくられ、このアミラーゼがデンプンを糖に分解します。このデンプンを糖に変える準備(糖化)がビールの発酵には重要となります。

焙燥

 芽の長さが体の長さになるかならないかといったところで成長を止めます。これ以上成長するとビールになる原料が少なくなるためです。そこで、麦芽を高温で乾燥させます。乾燥させる温度が高ければ色の濃いビールになります。

たとえば……

 ・70℃程度……淡い麦芽ピルスナー向き

 ・120℃程度……濃色麦芽、コクがあるタイプ

 ・さらに強く焙燥……チョコレート麦芽、黒麦芽

 ・加湿しながら焙燥……カラメル麦芽

 

仕込み(1日程度)

 ②の麦芽を粉末にし、50℃ほどのお湯につけます。それをろ過し、デンプンや酵素を抽出します(→麦汁)。

 麦汁を50℃ほどに温め(麦芽中のタンパクを分解)、次に67度ほどに温め(アミラーゼが活発になる温度)、デンプンを糖に変えます。その後78度まで上げ、アミラーゼの働きを止めます。

 この麦汁を煮沸釜へ入れ、1~2時間ほど100℃の高温で煮沸します。そのときに、苦味ホップをいれ苦味を引き出すと同時にタンパクを固まらせて完全に取り除きます。

 煮沸が終わったら、香りの成分であるアロマホップをいれます。

 

一次発酵(7日ほど)

 麦汁を発酵タンクに移し、酵母を入れます。酵母を加えるとアルコール発酵が起こり、糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されます。造るビールの種類によって発酵温度、期間が変わります。

 ・ラガービール(下面発酵)……発酵温度は5~10℃、発酵期間は7~10日

 ・エールビール(上面発酵)……発酵温度は18~22℃、発酵期間は3~4日

 

熟成(2次発酵)

 ビール内部に炭酸ガスが溶け込むようにタンクから二酸化炭素の排出を止めます。十分に熟成させた後、残っている酵母をろ過で取り除き(⑥)、低温殺菌(⑦)をして完成。

 

・代表的なビールの種類

  • エール

  [イギリス] 上面発酵ビール。苦味が強く、酸味があり、香りが独特。色が薄いものを「ペールエール」、色が濃く苦味が強いものを「ビターエール」という。13℃ほどで飲むのがオススメ。

  • イングリッシュ・スタウト

  [イギリス] 上面発酵ビール。糖、ミルク、オートミールなどを加えて造るため甘くなめらかな口当たり。

  • ドライ・スタウト

  [アイルランド] 上面発酵ビール。灰ローストの麦芽を使っているので香ばしく色が濃い。やわらかい口当たりでコクがあり甘さが感じられる。室温で飲むのがオススメ。

  [ドイツ] 上面発酵ビール。淡色で軽くまろやか、フルーティーな香り、炭酸ガスは少なめ。冷やして飲むのがオススメ。

  • アルト(ドイツ語で「古い」)

  [ドイツ] 上面発酵ビール。淡色麦芽と濃色麦芽を使用、赤銅色。コクがあり苦味が強い。エールよりも酸味が弱め。

  [ドイツ] 上面発酵ビール。二次発酵で下面発酵を行うこともある。小麦を50~60%使用したビール。フルーティーな香りが特徴。

  下面発酵ビール。二条大麦を使用したホップの利いたドライで爽快な香味、淡色。日本の缶ビールの大半がこれ。

  • ラガー(貯蔵庫の意)

  下面発酵ビール。低温で熟成させたもの。

  • メルツェン(ドイツ語で「3月」)

  [ドイツ] 下面発酵ビール。3月に造られるビールは夏に備えて貯蔵性を高めるため、高いエキス分のものがつくられた。麦芽の風味が強くほろ苦く、ブロンズ~赤色のビール。

  • ボック

  [ドイツ] 下面発酵ビール。エキス分が多く、度数が高め(約6.8%)。コクがあり、芳醇辛口、濃い目の色。

  [ベルギー] 小麦のビール。煮沸後の麦汁をふたをせずに放置、ゼナ川周辺に生息する野生の酵母を取り入れて造る。果物・ナッツの香りがし、酸味がある。

  • ベルリナー・ヴァイス

  [ドイツ] 上面発酵ビール。乳酸菌と酵母を同時に働かせている。色は淡色で苦味が弱く、軽快なタイプ。

 

 

○参考

BeerDo!! ビール辞典

あかしあのお酒の基礎知識・ビール